2020年に開催される予定の東京五輪・パラリンピック。
準備が進められているこの大イベントに絡んでサマータイムを導入しようと議論があったようです。
そこに立命館大学情報理工学部の上原哲太郎教授が「社会の大混乱なく実施するのは不可能」というスライド発表を行い物議を醸しだしています。
一体なぜオリンピックにサマータイムなのか?導入の理由は何なのか?
Contents
なんで東京五輪でサマータイム制度?
日本の政府は東京オリンピック・パラリンピックに向けて、時間を1~2時間早める「サマータイム(夏時間)」の導入を検討し始めました。
今になって東京五輪でサマータイム制度の導入が検討されているのは暑さ対策のためです。
これには「なんだよ。また暑さ対策かよ...」という声が聞こえてきそうですね^^;
2020年の東京オリンピックは真夏に行われることから、その暑さ対策に関して様々な議論がされてきています。
メイン会場となる新国立競技場にはエアコンが付かないなどのやり取りから、打ち水などの奇策まで飛び出してきているのはご存知かと思います。
アメリカなど諸外国では実施されているサマータイムを活用して、少しでも暑さをしのぎたいということのようですね。
今の時期にこれを言い出すとは、東京五輪の暑さ対策はかなり暗礁に乗り上げている気が...
サマータイム導入のデメリットは?
サマータイムを導入することにはデメリットが多く付きまとうとされています。
実際、冒頭で説明した立命館大学の上原教授がそれらのデメリットについて声高に主張しています。
一番大きな問題はインフラの整備が追い付かないこと。
政府機関でも一般企業でも、はたまた一般家庭においても時間を基準に動く電気製品が数多く存在しますが、これらへの対応には4,5年かかると言います。
実はNHKの行った世論調査では、サマータイムの導入に50%以上の人が賛成をしているらしいですが、これに関しても落とし穴があるよう。
上原教授は、賛成としている人たちは電化製品の買い替えなどで発生する多額の支出を認識しておらず、実施が決まれば必ず「こんなはずじゃなかった」と思う人が頻出すると指摘。
イギリスのEU離脱の賛成投票の時を思い出してしまいますね...
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サマータイムは日本で導入失敗した?
そんなデメリットを多く抱えるサマータイムの導入ですが、実は日本でも実施されていた時期があるそう。
それが終戦後アメリカの占領下にあった1948年〜1951年までの3年間のこと。
この時は日本が独立するタイミングでサマータイムを廃止したそうで、日本での導入には失敗しています。
その時の主な理由が以下の3つ。
- 残業が増えるなどの労働環境の悪化
- 交通機関の混乱
- 農作業に従事する人の生活リズムの悪化
今の日本であっても同様の問題は解消されていないような気がしますね...
これに加えて当時なかった電化製品の問題まであるわけですからやはりサマータイム導入は相当厳しいでしょうし、短期間で焦ってやるならやらないで欲しいと思います。
諸外国は昔からこの制度があるからいいのであって、先進国がいきなり導入するのはハードルが高いと言われていますからね。
政府の議論が変な方向に行かないことを切に願います。