2018年8月7日に毎日新聞が報じた「天皇代替わり:公務員懲戒、免除を検討」という記事が波紋を広げています。
公務員が過去に受けた懲戒処分の免除を行うかの検討をしているというこのニュースですが、ネット上ではフェイクニュースを流す虚構新聞のネタだと思ったという声も上がるほど。
「なんでこんなことが許されるのか、納得できない」という怒りの声が非常に多かったので、何故この制度があるのかを調べてみました。
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天皇代替わり
まず、天皇代替わりというのは皆さんご存知の通り2019年に予定されている天皇陛下の交代のことですね。
現在の天皇陛下が退位されると共に、現在の皇太子さまが新天皇陛下になられるということです。
天皇代替わりに関しては以下のようなことが他にも問題になっています。
- 退位の儀式を国事行為とするか
- 即位の礼の実施日や簡素化の是非
- 新元号の決定
これらの問題とは別に、今政府は新たに問題を作り上げてしまおうとしているわけです。
まあ天皇交代などのイベント時にはセットで発生するものが沢山あるので無視できなかったのでしょうけれども...
天皇代替わりで公務員懲戒処分の免除?
国民的行事で公務員の懲戒処分が免除されるというのは今回が初めてではないようです。
過去にも1952年、1972年、1989年の3回で公務員の懲戒処分免除が実施されているとのことでした。
そんな中、現在国民の関心が高まっているのが佐川宣寿前国税庁長官について。
財務省の決裁文書改ざんを巡る問題で減給処分を受けている佐川宣寿ですが、その処分も免除されてしまう可能性もあるそう。
今回のニュースでも「あの佐川氏も対象となるのか」という風に名前が載りました。
政府では以前の懲戒処分免除の例を今回も適用するべきという声もあるようですが、その基準を適用すると佐川氏も免除範囲に入ってしまうんだとか...
ただし、政府も佐川氏の処分が免除されることを懸念してか、免除適用の基準を慎重に検討しているとは言われています。
今回のネットでの反応を見るだけでも一斉に反対の声があがるくらいですので、政府としても国民世論の意見を無視することはできないですよね。
何とかして佐川氏をはじめとした記憶に新しい事件の関係者は免除対象から外すように対策を取るはずですし、それを期待したいと思います。
こんな制度が何故あるの?
今回のニュースを見て「こんな制度が何故あるのか?おかしい!」と憤慨した方もいるかもしれません。
この公務員の懲戒処分免除は実は「恩赦」という制度とセットになっています。
国家レベルでおめでたいことがあった場合に、犯罪を犯した人の罪の重さを軽くしたり無くしたりすること
かなーり簡単に書きましたが、刑務所に服役している人の罪が減刑されたりすることを恩赦と言うんですね。
恩赦は国家レベルで祝福すべきイベントが発生したときに行われ、代表的なものは以下のようなものがあります。
- 天皇の即位・交代
- 皇太子の誕生
この恩赦って、犯罪者の罪を軽くしてあげるというすごい制度ですよね。実は公務員の懲戒処分免除は恩赦とのバランスを取っていると言われています。
犯罪者の罪を軽くしてあげるんだから、公務員でちょっと悪いことしちゃったぐらいの人のペナルティーも軽くしてあげよう!
ということですね。まあ言っていることは分かります。
時代が変われば制度も変わるということで「そもそも恩赦の制度自体を見直したら?」と言った声も今後出てきそうですね。