経済用語でまたまた知らないものが出てきました。それが「でんさい」という言葉。
初めてみた時は全然意味が分かりませんでしたがこれは略語なんですね。
でんさいとは何なのかを簡単にわかりやすく解説してみます♪
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でんさいとは?を簡単にわかりやすく
でんさいとは「電子記録債権(でんしきろくさいけん)」を略して更にひらがなにした言葉。
そしてその意味は「誰かからお金を払ってもらう権利を電子データで管理できる仕組み」と言えます。
あなたが友達にお金を貸してあげたら当然その金額を返してもらう権利がありますよね。でもその権利って目には見えないです。
それを電子データの形で目に見えるようにしているのが「でんさい」なんです。
※わかりやすく個人のお金の貸し借りにしていますが実際は企業間の取引です
でんさいは誰かからお金をもらう権利としてこれまであった「手形」や「金銭債権」のデメリットを無くすために生まれました。
(手形・金銭債権とか難しすぎれば読み飛ばして大丈夫です)
金銭債権って先ほども触れたように目に見えないものなので基本的に公に証明できません。誰かに「私は〇〇さんに対する金銭債権持ってます!」って言っても本当か分からないんですよね...
そして手形という制度も、発行から管理までコストがかかる上に紙切れなので失くしてしまうこともリスクです。
ネットの発達によって多くのものが電子データになっている今、債権という権利も電子データにしちゃえーというのが「でんさい」が始まった流れなんですね。
でんさいネットって何?
でんさいは目に見えない権利を電子データとして書き込んで人が見えるようにしたものと言いました。
ここで一つの疑問が出てきます。それが「でんさいは誰が管理しているの?」ということ。
でんさいの管理は電子債権記録機関というところがしているのですが、このうちの一つが「でんさいネット」なんです。
正式名称:全銀電子債権ネットワーク
略称:でんさいネット
設立:平成22年6月
電子債権記録機関は大手都市銀行が大きく絡んでいて他には以下のようなものがあります
- 日本電子債権機構株式会社(JEMCO)
- SMBC電子債権記録株式会社
- みずほ電子債権記録株式会社
その中でも、ほとんどの銀行が参加していて中間的な立ち位置にいる「でんさいネット」が一番利用される電子債権記録機関になっているようです。
でんさいの仕組みを簡単にわかりやすく
お金に関する債権が「でんさい」という電子データになったことで、企業間取引の仕組みがどのように変わるのか?
この疑問になるべく簡単にわかりやすく答えてみたいと思います。
「でんさい」を使うという場合、たいてい先ほどの「でんさいネット」を使うということになります。
例えばトヨタが下請け企業から部品を仕入れた場合を例にすると、トヨタはお金を支払わなければいけません。そこでトヨタは「でんさいネット」に債権が発生したと登録します。
※トヨタと下請け企業が普段使っている銀行が「でんさいネット」に登録していることが必要ですが、多くの銀行が登録していますのでしていることにします。
登録する内容は主に、「誰に、いくらを、いつ」支払うのかということです。
そうするとその支払日が来た時に自動的にトヨタと下請け企業の使っている銀行間で支払いが完了します。
「でんさい」を使わない従来の取引であれば、例えばトヨタが下請け企業から部品を仕入れた場合には、下請け企業はトヨタに対して請求書を発行します。
そしてその請求書に従って銀行振り込みなりで支払いが完了します。
でんさいのメリットは、電子データなので「登録や管理が簡単」「管理コストがあまりかからない」というところにあると言われています。
でも先ほどの流れだけを見たらそこまで簡単になっているか疑問ですよね。実際あまり「でんさい」の使用普及率は高くないようなんですね。
実は「でんさい」が効果を発揮するのは特に手形取引をしている企業に対してと言われています。
手形という制度と非常に似たことを電子データを使って簡単に行うことができるというのが現在の「でんさい」の存在意義のようです。