社会に出ると今まで知らなかったビジネス用語を聞くようになりますよね。
今回は何となく聞いたことがあるけれどもきちんと理解したことはなかったというような「売掛金」について書いています。
売掛金なんて知ってるよという人も、売掛債権や未収金との違いについてはご存知でしょうか?
Contents
売掛金とは?売掛金の意味
売掛金とは何なのかと言うと、
掛取引(かけとりひき)によって商品を販売した場合に代金を受領する権利
と説明されます。
その意味をわかりやすく簡単に言えば、サービスの対価として受け取れるはずのお金をまだ受け取っていない状態であり、その場合に「売掛金を持っている」と言います。
会計・経理からの見方をすれば「売上金の帳簿上の未集金」ということになるでしょう。
あなたが友達に自分の持っているCDを500円で売ってあげて、まだその友達からお金をもらっていないとしたら、あなたは「売掛金を持っている」ということです。
掛取引とは言ってみれば「ツケ」のことですが、日本の商取引では掛取引が基本なので、会社と会社の取引であれば料金の支払いは翌月や翌々月になるのが普通です。
そうするとその間、お金を受け取っていない会社は売掛金を持っているということになります。
売掛債権や未収金との違いって何?
売掛金と売掛債権の違い
売掛金イコール売掛債権と思っていることも多いかと思いますが厳密には違いがあるようです。
売掛債権 = 売掛金 + 受取手形
何かモノやサービスを販売した際に支払いを受ける権利を総称して売掛債権と言い、売掛金だけでなく受取手形も含めていることが分かると思います。
手形についてはここでは詳しくは触れませんが、売買取引をした際に手形で支払うか手形以外で支払うかによって売掛金に分類されるか受取手形に分類されるということです。
それがどちらであったとしても「売掛債権」を持っている状態であることは変わりません。
売掛金と未収金の違い
それでは次に「売掛金と未収金の違い」です。
どちらも「まだ受け取っていない代金の請求ができる権利」という点では同じです。しかし決定的に違う点が一つ。
- 売掛金:営業取引によって発生
- 未収金:営業外取引によって発生
売掛金はその企業の本業であるモノやサービスの販売で発生した権利なのに対して、未収金はその企業が持っていた不動産の売却など、本来の企業の活動とは違うところから発生した権利です。
売掛金の時効は?
売掛金に限らずですが、債券(権利)を持っている人にとって気になるのが時効ですね。
売掛金の時効は民法173条1号に規定があり、時効期間は売掛金の支払期限翌日から2年となっています。
実はこれは2020年の民法改正によって5年になることが決まっているようです。
長い間続いた事実状態を尊重し、その状態が法律的に正当でなくとも、これを正当な法律状態と認めること
時効というのは、「長い間何事もなく平穏な状態が続いていて既成事実ができている場合にはもうそのまま行きましょうよ」ということです。
仮にお金を払ってもらえる権利を持っていても時効によって消滅する可能性があるわけですね。
時効の期間と一緒に気になるのが時効が成立しないように止めることができないかどうかです。
時効の完成を防ぐには、内容証明郵便で債務者に督促をする(催告という)ことで6ヶ月引き延ばすことができます。
でも時効の完成を止めるにはこれでは足らず、
- 訴訟や支払い督促などの裁判上の請求をする
- 債務者(買主)に支払義務の存在を認めさせる
- 差し押さえをする
などの方法を取る必要があります。
いずれにせよ、時効成立ギリギリにならないように売掛金の管理をすることが大切ですね。