結論からお伝えすると、メドピアの倒産可能性は低いようです。
ただし、メドピアの株式を持っている場合、早めにアクションを取る必要があります。
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メドピアは倒産するの?
メドピア株式会社(6095)は、医師向けプラットフォーム「MedPeer」などを展開するヘルスケアIT企業です。
2025年現在、倒産リスクは極めて低いと評価されています。
実際、倒産確率を算出する複数のサービスでも「0.00%」とされており、財務リスク・市場リスクともに「適正」となっています。
業績と事業の現状
2025年9月期の業績は減収減益の見通しですが、これは予防医療プラットフォーム事業からの撤退や、コロナ特需の反動による一時的なものです。
主力の「医師プラットフォーム事業」や「医療機関支援プラットフォーム事業」は安定しており、今後はこの2つの事業に経営資源を集中する方針です。
また、2027年までの中期経営計画では、医師プラットフォーム事業やマーケティング支援事業の売上拡大、調整後営業利益の増加を目指しています。
デジタルヘルス市場自体も拡大傾向にあり、メドピアはAIやデータ解析の活用など、成長分野への投資も積極的です。
非公開化(MBO)の背景と狙い
現在メドピアは、経営陣主導のMBO(マネジメント・バイアウト)により株式を非公開化する手続きを進めています。
これは、短期的な業績プレッシャーから解放され、中長期的な視点で新サービスやプラットフォームの開発に集中するためです。
医療IT分野は開発や普及に時間がかかるため、上場企業特有の「四半期ごとの成果重視」から脱却し、じっくりと事業を育てる戦略的な決断といえます。
また、上場維持基準(流通株式時価総額100億円)に1年以上不適合だったことも非公開化の一因ですが、資金繰りや財務の悪化によるものではありません。
MBO後は、既存サービスの強化や新規事業への投資、医療データプラットフォームの構築など、より大きな成長戦略を描いています。
今後の展望とリスク
メドピアは、医師・薬剤師・患者をつなぐ大規模なヘルスケアプラットフォームの構築を目指しており、今後もM&Aや新規提携を積極的に展開する方針です。
もちろん、新規事業の成否や市場環境の変化によるリスクもありますが、現時点では倒産リスクは極めて低く、むしろ再成長に向けた準備段階といえるでしょう。
今メドピアの株を持っていたら、どうすればよい?
メドピアの株式を保有している場合、主に以下の2つの選択肢があります。
それぞれの特徴や注意点も詳しく解説します。
1. 市場で売却する
証券会社の通常の株式売買で、現在の市場価格で売却できます。
2025年7月時点では、TOB(公開買付)価格700円を上回る水準で株価が推移しているため、市場で売ればTOB価格より高く売れる場合があります。
売却は即時に現金化でき、特別な手続きも不要です。
ただし、株価は日々変動するため、売却タイミングによってはTOB価格を下回る可能性もあります。
2. TOB(公開買付)に応募する
TOB価格(1株700円)で確実に売却したい場合は、指定の証券会社(SBI証券など)を通じて応募します。
TOBに応募すれば、必ず700円で買い取ってもらえますが、手続きが必要で現金化までにやや時間がかかります。
TOB期間は2025年7月9日まで延長されています。
今後、買付価格が引き上げられる可能性も一部で期待されていますが、現時点では価格変更は未定です。
TOB成立後は上場廃止となり、市場での売却ができなくなります。
TOB応募の具体的な流れ
- SBI証券に口座を開設(既に口座があれば不要)
- 他の証券会社で保有している場合は、SBI証券に株式を移管
- SBI証券のサイトからTOB応募手続きを実施
選択肢ごとの比較表
売却方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
市場で売る | すぐに現金化できる/TOB価格より高値も可 | 株価変動リスクがある |
TOBに応募する | 700円で確実に売却できる | 手続きが必要/現金化まで時間がかかる |
今後の注意点・アドバイス
TOB期間終了後は上場廃止となるため、いずれかの方法で売却手続きを進めることが重要です。
TOB価格の引き上げがあるかどうかは未定ですが、株価がTOB価格を上回っているうちは市場売却も有力な選択肢です。
TOB成立後に株式を保有し続けると、非公開会社の株主となり、流動性が著しく低下します。基本的には売却を検討しましょう。
TOB応募には証券会社ごとの手数料や手続きの違いがあるため、事前に確認しておくと安心です。
今後のメドピアの成長や再上場、M&Aなどに期待する場合は、株主として持ち続ける選択肢も理論上はありますが、非公開化後は株式の売却が難しくなるため、慎重な判断が必要です。
そのままメドピアの株を持ち続けたらどうなるのか?
メドピアは現在、MBO(経営陣による買収)によって非公開化が進められており、TOB(株式公開買付)が実施されています。
TOBが成立すると、メドピアの株式は上場廃止となり、市場での売買ができなくなります。
そのため、株を持ち続ける場合は非公開会社の株主となり、流動性が大幅に低下します。
非公開化後は株式の売買が非常に難しくなるため、株を現金化したい場合はTOBに応募するか、市場で売却することが一般的に推奨されます。
ただし、TOBに応募しなかった株主や応募できなかった株主は、非公開会社の株主として長期保有を余儀なくされる可能性があります。
また、MBOの中心となっている筆頭株主は長期保有の意思を明確に示しており、経営権の安定化を図っています。
そのため、非公開化後は経営陣の意向に沿った企業運営が進む見込みです。
一方で、非公開化に伴う株価のプレミアムや買付価格の引き上げが期待されるケースもありますが、確実ではありません。
株価がTOB価格を上回っているうちは、市場での売却も選択肢として残ります。
- 非公開化後は株の流動性が著しく低下し、売買が困難になる。
- TOBに応募しなければ、長期保有を余儀なくされる可能性が高い。
- 経営陣は長期保有の意思を持っており、経営の安定化が進む。
- 株価の動向や買付価格の変化に注目しつつ、売却のタイミングを検討することが重要。
メドピアが再度上場する可能性はある?
現時点でメドピアが再上場するかどうかは、公式には発表されていません。
ただし、MBO(マネジメント・バイアウト)による非公開化の目的や、今後の経営戦略から考えると、将来的な再上場の可能性はゼロではありません。
今回のMBOは、短期的な業績プレッシャーから解放され、中長期的な視点で事業を育てるために実施されました。
医療IT分野は開発や普及に時間がかかるため、上場企業としての四半期ごとの成果主義から離れ、じっくりと新たなサービスやプラットフォームの成長に集中する狙いがあります。
非公開化後は、主力の医師向けプラットフォームや薬局支援サービス、医療ビッグデータの活用など、長期的な成長戦略に取り組む方針です。
投資ファンドと連携しながら企業価値向上を目指すことから、一定の成長や収益拡大が達成できれば、再度上場して資金調達や知名度向上を図る選択肢が出てくる可能性もあります。
一方で、非公開化のまま経営の自由度を優先し続ける可能性もあり、再上場が確約されているわけではありません。
過去にもMBO後に再上場した企業は存在しますが、非公開化の目的や経営陣の方針次第で判断されます。
まとめると、メドピアが将来的に再上場する可能性は「あり得る」が、「現時点で具体的な計画や時期は未定」となります。
今後の事業成長や経営陣の判断に注目が集まります。
実際に、一度上場廃止してから再上場した例はある?
はい、実際に一度上場廃止となった後、再び上場を果たした企業はいくつも存在します。
再上場の理由はさまざまですが、MBO(経営陣による買収)による非公開化の後、経営体制の再構築や業績回復、新たな成長戦略のもとで再上場するケースも見られます。
代表的な再上場の事例は以下の通りです。
- あおぞら銀行(旧日本債券信用銀行):1998年に上場廃止、2006年に再上場
- 大王製紙:1963年に上場廃止、1982年に再上場
- ソフトバンク:2005年に上場廃止、2018年に再上場
- すかいらーくホールディングス:2006年に上場廃止、2014年に再上場
- ワールド:2005年にMBOで上場廃止、2018年に再上場
- エキサイトホールディングス:2018年に上場廃止、2023年に再上場
- オークネット:2008年に上場廃止、2017年に再上場
- マクロミル:2014年に上場廃止、2017年に再上場
- 雪国まいたけ:2015年に上場廃止、2020年に再上場
- ローランド:2014年に上場廃止、2020年に再上場
再上場を目指す場合、通常の新規上場(IPO)よりも審査基準が厳しくなる点に注意が必要です。
特に、MBO後の再上場では、経営体制や株主構成の変化、成長戦略の明確さなどが厳しくチェックされます。
このように、日本国内でも「一度上場廃止→再上場」という事例は複数あります。
メドピアについても、今後の成長や経営方針次第で再上場の可能性は十分に考えられます。
まとめ:メドピアの株式をどうやって売るべきか
- すぐに売りたい、またはTOB価格より高値で売れるなら「市場で売却」。
- 確実に700円で売りたい、手続きや時間を気にしないなら「TOBに応募」。
TOB期間終了後は上場廃止となるため、早めの売却判断が重要です。
今後の事業戦略や医療IT市場の成長性にも注目しつつ、ご自身の投資スタンスに合わせて行動しましょう。